次の飲み会で話の種になる豆知識をご紹介。アクセス数が世界最多のウェブサイト上位10件のうちウィキペディアは、 非営利団体が運営する唯一のサイト で、運営母体をウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)といいます。
私たち財団の役割は、ウィキペディアをはじめとするウィキメディアのプロジェクト群を脅威から保護すること、これらが動くサーバーや技術の管理運営(ホスト)です。当財団にとってウィキペディアの編集業務は担当外 です。ウィキペディアでご覧になるすべての情報の作成と編集はむしろ、世界中の hundreds of thousands of 何十万人ものボランティアの皆さんの手によるものです。それらの皆さんは自分たちで策定した百科事典の編集方針とガイドラインを守り、作業に協力して重要なテーマに関する情報に出典をつけ — 信頼できる情報源となる新聞記事や査読付き学術刊行物(ジャーナル)ほかを引用すること — 編集しシェアしています。
ウィキペディアは上記の人間主導型ガバナンス方式に沿ったコンテンツである点と、もう一つ、資金を集める上で広告も購読料もなく利用者の個人データを売らないという特徴があります。左記の手段ではなく、ウィキペディア運営資金の大部分は読者からいただく平均11アメリカドルのご寄付で成り立っています。
ウィキペディアの唯一かつ重要な使命は、この地球という星の人々すべてに知識を届けることであり、実現には多大な投資を継続して集めなければなりません。皆さんからお預かりしたご寄付の使いみちと、どのようにウィキペディアを支えていただいているか以下にご説明しでます。私たちは透明性の向上に努め、財務報告書を公開しておりますので、詳細はそちらでご確認ください。
技術面
ウィキペディアをはじめとするウィキメディア・プロジェクト群は技術面が動かしており、私たちの予算はそのおよそ半分(45%)を技術面の支援に充てています。私たちが日常に取り組む業務には、寄稿者と読者双方の皆さん用にUX(利用者体験)の向上、サイトのセキュリティ強化、信頼性の高いアクセスを世界中のウェブサイトで確保することがあげられます。こうした取り組みにより、インターネットの急変する環境において営利目的の一般的なウェブサイトに比べると、ウェブサイトの維持コストははるかに低く、世界トップクラスを維持できています。
ウィキペディアで特定の記事を開いたとき、世界各地のデータセンター7件のいずれかが記事を提供します。最新のデータセンターはブラジルに開設(2024年)、おかげで同地の読者はその直後にウィキペディアを開いたところ、読み込み時間は平均で3分の1秒(1/3)、短縮しました。これは非常に重要な点であり、人々が重要な知識を迅速に得られるように保てるからです。左記のデータセンターは前例のないトラフィック増加時にも、つながる状態(オンライン)を保ち、たとえば2025年半ばに新しい教皇が選出された際に毎秒80万件の呼び出しを記録しても、ウィキペディアのオンライン維持に貢献した実績があります。
ウィキペディアはまた、最高品質のデータセットの一つとして、法学修士課程(LLM)の研修に採用されています。ウィキペディアから得た知識をいくつものフォーマットや端末機器用に提供したいという需要が高まり、テクノロジー企業はウィキペディアから人の手が築いたコンテンツを以前にも増して収集していますので、すべての人に信頼性が高く安全で迅速な接続を維持しようとすると、インフラ投資の継続は欠かすことができません。
投資という面では、財団はほかにもボランティア編集者の皆さんを支援するツールへの投資も増やしつづけ、サイト上の知識の拡張、サイトの関連性や正確さと有用性を保てるように努めてきました。一例をあげるなら、財団が提供するコンテンツ翻訳ツールを採用した翻訳記事は、ウィキペディアの全記事6500万本のうち、累計240万超にのぼりました。このような投資はウィキペディアのコンテンツを載せた言語版は300を超え、多言語化が世界で最も進んだサイトの一つという地位を維持しています。さまざまな取り組みのうち、この2年ですとウィキメディアのサイト群に背景が暗いダークモードを追加、使いやすさ(アクセスシビリティ)を高め、ウィキペディアに載せたデータが見やすくなりました。
それらに加えて当財団は新世代、より年齢が若い世代の観衆にリーチしようと投資し、私たちの使命はどうすればその層の人たちから共感されるか、実験を開発し探究もしています。若い人たちに届ける努力には、短編動画のプラットフォームやゲームなどなど外部も対象に含まれます。
左記のインフラの維持ばかりか、世界中の何億人もの閲覧者や編集者にとって常につながっていて利用できるウィキペディア(オンライン)を保ち、安全かつ使いやすい状態を常に維持するには、多大な資金と人員がなければ成り立ちません。
ボランティア
ボランティアの皆さんはウィキペディアに載ったあらゆる情報の背後で尽力されており、当財団では年次予算のおよそ3分の1(32%)を支援に充てています。
当財団では、ボランティアの皆さんが作業を効率よく進めるうえで必要なツールを提供しており、例えばウィキペディアですと編集作業を簡素化する新機能を築いたり、あるいはボランティア編集者の皆さんが補助システムを使うと荒らし行為検出が迅速かつ容易に済むようにしています。また究極には私たちが暮らす世界をもっと反映したウィキペディアづくりが進むように、コンテンツ改善と知識の格差解消をになうボランティア編集者コミュニティの発展を世界各地で支えています。
ウィキペディアには構築の前提として、多様な背景や信念をいだく人々が増え、情報源が明確で中立な情報をプロジェクトに提供すると、より良いものになると肯定する視点があり、この目標を支えるものが当財団の助成事業です。2024-2025予算年に基金から配分した助成金は417事業、総額1823万2260ドルであり、前年度比で180万ドル増でした。これら助成事業はすべて透明性のある形で記録を残しております。
当財団助成金はけしてウィキペディアのコンテンツをどうこうするものではありません。助成対象はボランティア個々人やグループであり、中立で正確な情報をウィキペディアに書き込んで、世界の知識と幅広い視点を常に反映させるのは皆さんです。ウィキプロジェクト医療財団(Wiki Project Med Foundation) の例を示すなら18万ドルを配分し、ウィキメディアのプロジェクト群に質のすぐれた医療健康情報を提供する活動が長続きするように助成しました。
当財団ではそのほか権利擁護活動や法的支援も手がけており、人々が無償で公開の知識を手にしたり、そこに貢献する権利を守っています。この事業には表現の自由の権利擁護、政府による検閲反対なども含まれ、その一環として世間の人々が世界のどこにいても知識を手に入れ共有する権利を守るため、政府や規制当局や立法者に対する啓発活動も進めています。世界中で私たちのモデルに脅威が高まり続ける中、無償で公開してあり信頼できる情報へのアクセスを確実に保護するという取り組みは、ますます重要になっています。
諸経費
標準化した運営支援要件が欠かせない点は、非営利団体であればどちらとも共通しており — 年次予算の12%を占めます。法の求める義務や類似の責務を遵守するには部門横断型のさまざまな庶務機能に加え、一般通念に適した会計規約を備えることになります。これらには人事や財務、法務や広報連絡(コミュニケーション)、情報技術その他が該当します。これらの組み合わせにより、組織を効率よく効果的に運営できますし、ボランティアのコミュニティ群や職員、世界各地の閲覧者の皆さんを支え助けることができます。
予算から11%の枠を振り当てる寄付者支援経費とは、ウィキメディア・プロジェクト群ならびにウィキペディアの継続に不可欠です。当財団の担当チームでは寄付者との連絡に25言語で対応できる体制を整え、年間をとおして効率よく効果的な資金調達に力をつくしつつ、皆さんからお預かりしたご寄付をもれなく私たちの使命推進に役立てるよう心を砕いています。お寄せくださったご芳志はすべて、ウィキペディアその他のウィキメディア・プロジェクト群、ひいては無償で公開の知識という私たちの使命に再投資しております。当財団の運営効率の良さは総合評価され、 チャリティ・ナビゲーターの最高評価(Charity Navigator)、キャンディド(※)透明性プラチナ認証(Platinum Seal of Transparency from Candid)を取得した理由の一つです(※=主催組織の旧称はガイドスター GuideStar)。
今後の展望
ウィキペディアが存在できる理由は、世界の数千万人もの人々が知識は当然すべての人のものであると信じておられるからです。これまでの25年にわたって多寡を問わずお寄せくださった寛大なお気持ちが積み重なり、ウィキペディアは世界でも数少ないオープンな空間、独立し自由な空間の一つとして存続することができました。これからの25年も、そしてさらにその先の未来にも、皆さんにウィキペディアを支えていただけましたら何より幸いです。
「ウィキペディアは事実に基づいたコンテンツを守り続けてくれるから深く感謝しています。独立性の維持には寄付者が必要だという点、理解できます。ウィキペディアの活動は民主主義の礎えのようだと最近はますます感じるところです。」
寄付者
●カナダ
「インターネットの出現からこちら、最も価値があるのはウィキペディアだと思います。『人民による、人民のための』そのもの。かつて私たちがこうだと覚えた情報の歪みに直面する面すらふくめて、私にとって年を重ねるごとにどんどん大切になってきました。」
寄付者
●アメリカ合衆国
「私たちの世界では教育関係や知識はしばしば『財政が苦しくて天井がある』ものだが、(複雑で魅力的なものから基本的で退屈なものまで)あらゆる種類の情報に瞬時にアクセスできるウィキペディアは信じられないほど価値のあるポータルであり、〈公開だし使用料は取らない〉のにずっと継続しており、これには驚くほかない。」
寄付者
●ニュージーランド
当財団の資金調達について、詳細にご関心を持たれましたら、 よくあるご質問もしくはこちらのブログ投稿をご参照ください。



