ウィキペディアは資金をどう調達しているのか?

ウィキペディアはこの25年ほどをかけて、インターネット上の知識を支える屋台骨になりました。最初は途方もなく野心的で、おそらく実現不可能な夢だろうと言われましたが、今や人類にとって不可欠な知識源となりました。記事6500万本超を300以上の言語版に掲載、そのすべてはこれを読んでおられるご自身をふくめ、読者の皆さんからお預かりした資金に支えられています。

ウィキペディアの知識はおよそ25万人の、多彩な背景を備えたボランティア編集者の皆さんが記したものです。記事本文の編集に加えて事実の確認、コードの修正、中立的な視点に立って情報を記録するなどの作業を行います。これら編集者の皆さんが力を合わせると、インターネット上の知識はより良くなっています。左記の編集者の活動のおかげで、毎日、何百万人もの読者がウィキペディアを訪れ、恩恵を受けています。しかも広告も有料コンテンツも、トラッキングも一切存在しません。でもウィキペディアをネットに繋いでおくには費用がかかるし、誰が払っているのか、疑問に思ったことはありませんか?

ウィキペディアの運営基盤には独自の収益モデルがあり、その主な収入源とは、知識はすべての人のものであるべきだと信じる一般の皆さんが預けてくださる寄付金です。事実、アクセス数が世界で最多のウェブサイト群の中で、唯一、非営利団体が運営するのはウィキペディアであり — その団体をウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)と呼びます。読者が資金提供をするという草の根運動を思わせるモデルこそ、ウィキペディアの独立性を守っています。運営経費は他の主要ウェブサイトに比べると、はるかに低く、お預かりした寄付金はすべて、信頼できる知識をすべての人に提供するという夢の実現に役立てようと、ウィキペディア運営に還元されます。

では、詳しく見ていきましょう。

ウィキペディアの運営者は誰?

ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)は、アメリカ合衆国に拠点を置く501(c)(3) 認証を受けた非営利団体501(c)(3)です。当財団は左の法規に準拠する公益非営利団体として、知識をすべての人に提供するという教育的使命を掲げて活動しています。この使命の実現には、ウィキペディアにとどまらず無料で公開するウィキメディア・コモンズウィキデータウィキソースなど、オープンソースの姉妹プロジェクトを数多く支援しております。

当財団はその使命において — 商業的な影響を受けず独立の組織として — 無料で公開の知識をすべての人に提供します。当財団がホストする技術インフラは、ウィキペディアに集まる月次数十億回ものアクセスを実現しています。ウィキペディアは、こうした技術への継続的投資により閲覧や編集の中断を防ぎ、記録破りのアクセス急増にもやすやすと対応してきました。

当財団は設立2003年以来、支援を続けるボランティア編集者の皆さんは数十万人にのぼり、ウィキメディア・プロジェクト群でコンテンツの編集と拡張、査読(キュレーション)に携わっていただいています。そのボランティアの皆さんに対して当財団は、最新ツールの提供、高速で安全かつプライバシーを保護するウィキペディアへの接続を保証、ウィキペディアに載せる知識を増やす世界各地の個々人や組織に助成金を支給、法的対応や擁護活動により開かれた無料の知識という人々の権利を保護しています。

ウィキペディアの資金調達方法は?

ご寄付による草の根のご支援

ウィキペディアの運営経費として、世界各地から数百万人の個人ご支援者から単発または月次のご寄付をお預かりしています。ウィキペディアの定期購読者を自負され、一口11アメリカドル以内を支弁してくださるご寄付がその大部分を占め、200超の国と地域から送金をお受けしています。そして多くの方々からウィキペディアから受け取るサービスとその理念に価値を見出しておられ、当財団の使命に賛同とのお言葉を頂戴しています。

当財団の収益モデルは理想であり当財団の価値観「人民による、人民のための構築(※1)」を反映します。またウィキペディアの独立性保護を支えるため、ウィキペディアのコンテンツは特定の組織や個人の及ぼす影響を制限しています。

(”※1”=built by people, for people)

ウィキペディアのその他の資金源とは?

運営資金は一般の皆さんからお預かりするご寄付がその大部分を占め、その残りは次の3つの資金源が対応します。すなわち大口寄付、基金、ウィキメディア・エンタプライズ(※)です(”※3”=Wikimedia Enterprise)。

大口寄付によるご支援

例年、ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)では1000アメリカドルを上回るご寄付およそ2000件を個人および団体からお預かりしています。これらご寄付の大部分はその使途を当財団一般運営基金に指定されず、最適な使途の選択を当財団にゆだねられています。また例年、少数ながらご寄付者が具体的に使い道を限定されたご寄付もお受けしており、ご寄付者にはウィキメディアの使命をめぐる特定の貢献をご支援いただきます。使途指定寄付は、直近の例ですとロックフェラー財団(Rockefeller Foundation)ならびに Google.org より抽象ウィキペディア(Abstract Wikipedia)すなわち、より多くの人がより多くの言語でより多くの知識を共有するよう整えるプロジェクトの開発支援を、さらにアルフレッド・P・スローン財団(Alfred P. Sloan Foundation)より AI戦略へご支援を賜りました。

ウィキメディア基金

ウィキメディア基金(Wikimedia Endowment)は2016年設立の永久寄託基金(permanent safekeeping fund)であり、その趣旨は生み出した収益をウィキメディア・プロジェクト群の運営、活動の恒久的な支援に資することにあります。ウィキメディア基金はアメリカ合衆国に本部を置き、ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)とは別の501(c) (3) 認証を受けた公益活動団体です。基金とは、複数世代が使命を担う組織の積極的な財務計画立案を可能にします。一方でウィキメディア基金にお寄せいただくご芳志は将来に向けた強固な財政基盤を整え、ウィキペディアとその使命の長期的な安定を支えるものです。他方、ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)は資金を調達し日々の運営を支えます。 

好況時、ウィキメディア基金は伸展と革新の足がかりとなります。経済状況が厳しい時はウィキメディア・プロジェクト群の運営を支える最も不可欠な事業に資金を援助します。現在、基金から受ける助成金は技術革新に充てており、急速に技術変化が進む時代においても、ウィキペディアを含むウィキメディア・プロジェクト群はその重要性を維持し得ています。

ウィキメディア・エンタープライズ

ウィキペディアその他のウィキメディア・プロジェクト群を検索する生成型人工知能モデルは数十種あり、収集されたコンテンツは、それぞれの成果として提供されています。テクノロジー企業はそれら人間が築いたコンテンツをますますスクレイピングしては、新しい検索体験その他のテクノロジーを介して配信するケースが増えています。現在、こうした大規模再利用者によるトラフィックは、最も高価なトラフィックの65%を占めています。こうしたコンテンツ大量再利用はいずれも、ウィキメディア・プロジェクト群、寄稿者や読者に対応するはずの帯域幅とリソースを消耗しています。

2021年、ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)はウィキメディアのコンテンツの大規模再利用者および配信者対応の商用製品として、ウィキメディア・エンタープライズ(Wikimedia Enterprise)を設立しました。これはオプトイン型製品であり、ウィキペディアのサーバーに大きな負荷をかけることなく、企業はウィキペディアのコンテンツを大規模かつ持続して利用できると同時に、ウィキペディアならではの非営利の使命をも支援していただきます。大量または高速のご利用には有料サービスをご用意しました。世間の人々にとって私たちのコンテンツは現状(そして将来も)無料で自由に再利用できるものです。ただしその意図するところは、私たちのボランティア・コミュニティの活動から莫大な利益を得る企業にまで及ぶものではありません。

端的に申すなら、ウィキペディアのコンテンツは確かに無料ではありますが、そのインフラ経費は無料ではないのです。

これらの情報をすべて確認する方法は?

ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)は、世界各地の人々が知識を収集し発展させ共有できるようにすることをその使命としています。これは信頼と透明性が組み合わさって初めて達成できるものです。当財団はそうであるからこそ(非営利団体の最善手法に準拠する独立機関による年次監査を含めて)年次計画年次報告書財務報告書を定期的に公開しています。資金調達の方法と使途を概説するこれら文書はすべて公開し、一般の皆さんの評価と分析に提供してあります。透明性に向けた当財団の取り組みは、チャリティ・ナビゲーターの最高評価(Charity Navigator)、キャンディド(旧称ガイドスター GuideStar)から透明性プラチナ認証(Platinum Seal of Transparency)を取得しました。

私たち全員の力で成り立つウィキペディア

設立から25年近く経った今もウィキペディアが続いているのは、世界各地の何百万人もの人々が「知識はすべての人のもの」であると信じ — 提供するなら無料と選んで続けておられるからです。

今この場でウィキペディアにご寄付されたい場合は、 donate.wikimedia.org をご参照願います。ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)がお預かりした寄付金の使い方は、こちらのブログ投稿で詳細をご覧ください。

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